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●001:鈴木 教久さん(東京GSP、というかプチホームページサービス)




聞き手:でこぽん
プチって、スタートはいつになるんでしょうか?

鈴木 教久さん(以下スズキ)
えーっと…2002年です。はじめはWEB CREATORSという雑誌のおまけ企画として、
ホームページ作成キット「Petit」という形で公開されました。
その後、そのまま終わらせるのはもったいないよね、と森さん
(ダカフェ日記 (Click!) の森友治さん。森さんもプチデンソーの一員でした)が言い出して、
サービスとしてスタートしたのが2003年の4月でした。

でこぽん
サービス化する前って、ごくごく限られた人だけが使えるんでしたよね?
森さんの奥さん(だぁちゃん)や鈴木さんの奥さん(えっちゃん)とか。
会員番号もあったりして。あれ、すごくうらやましかったです。

スズキ
でこぽんさんは…89番ですね。

でこぽん
そんなのがわかるようになってるんですね!なんだかうれしい!

スズキ
ぼくは〜…856番だから、ずっと後なんですよ。ちなみにダカフェは170番。
でこぽんさんより後ですね。笑。

でこぽん
え!ぼくの方が早いんだ!知らなかった!ちょっと優越感。ふふふ。
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サービス開始当初のトップページはこんなでした。
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NEWSページ。イラストはプログラマーのサチコさん。



でこぽん
どうして「プチ」という名前になったんでしょうか?

スズキ
あ。なんでだったんでしょうね。笑。
プチスタッフが"プチグラパブリッシング (Click!) "が好きだったから、というのも
理由のひとつかもしれません。

でこぽん
雑誌に掲載されたプチを作られたころのお話を聞かせてもらえますか?

スズキ
当時は「STAMP BOARD(チェック柄に並ぶ写真掲示板)」と
「WARP BOARD」っていうリンク集のプログラムはすでに作っていました。
で、自然と掲示板のプログラム(東京BBS=プチを動かしているプログラム)を
作ることになったんですが、ネットを通じて以前から仲良くさせてもらっていた森さんたちから、
プログラムの仕様について要望をもらうようになりました。
そういう流れが発展していってできあがったのがプチで、
「WEB CREATORS」にプチのプログラムが掲載されたのもちょうどこの時期です。

そういえば、プチの紙の影を何ピクセルにするかで、すごくもめました。
本当は1ピクセルがかわいいんだけど、
そのたった1ピクセルを色設定させるのはどうなの?ってことになりまして、
「あ、ここが影ね」ってわかる幅になりました。最終的には5ピクセル。笑。



でこぽん
もともと雑誌のおまけだったプチを、みんなに使ってもらおう!となったきっかけって
どんなことだったんですか?

スズキ
当時は家入さん (Click!) の影響が大きいんです。
ちょうどロリポップ(家入さんの会社が運営しているレンタルサーバーのサービス (Click!) )が大きくなってきた時でした。
家入さんと森さんは友達だったので、いつだったか、ぼくと家入さんと森さんと、
3家族でごはんを食べる機会があったんです。
そのときの話の中で、せっかくだからプチもサービスにしようか、ってなったんです。
サービスはじめよう!っていって、森さんたちが必死でやってたのは、
Tシャツ作りとポストカード作りでしたけど。笑。
「はい、これ鈴木くんのスタンプね」ってアルファベットのはんこセットを渡されて。笑。
パスワードの文字列を1人分作るのに、15分くらいかかるんです。笑。
最初の20人くらいで、そのやり方はボツになりました。笑。

でこぽん
超アナログ!

スズキ
ほんと。笑。




でこぽん
森さんと森さんの奥さんの影響なのか、プチには
写真が好きな人・ママさんユーザーが多いなぁ、という印象を受けるのですが、
こうなることって想像していましたか?

スズキ
サービス開始当初は全然意識していませんでした。
こういう人に使ってもらおうとか、こういうサービスにしよう、って考えるようになったのは、
もっと後になってからなんです。

でこぽん
なにか転機になる出来事があったんですか?

スズキ
お客さまが増えてくると、自然とコミュニティ的な空気ができますよね。
暗黙のルールみたいなのがあったりとか。
プチはそういう風にはしたくないな、
いい空気を保つには、どうしたらいいだろう…っていう思いは最初からありました。

でこぽん
プチってそういう面で心配がないことが、きっとユーザーにとっても心地よいのだと思いますよ。

スズキ
ペパボ(=株式会社ペーパーボーイアンドコー (Click!) )にジョインしたころは、
まだお客さまも少なかったですし、お客さまもぼくたちスタッフもみんな、
プチをどういうサービスにしていきたいかわからなかったと思うんです。
2005年くらいから、サポートのスタイルも含めて考えるようになりました。
そのきっかけは実は、トイワホさん(=プチ部部長。 (Click!) )からいただいた
メールだったりするんですよ。
トイワホさんはメールで、プチを学校みたいに感じていると書いておられたんです。
そしてそれは、ちょうどぼくも思っていたことで、とてもびっくりしたのを覚えています。

でこぽん
部長とそんなことがあったんですね!



でこぽん
ブログサービスから移行してこられたユーザーの方だと思うんですが、
プチに“コメント機能”や“トラックバック機能”を付けてほしい、という意見が
助け合い掲示板に寄せられたことがありました。
このようにブログと比較されることも多いと思いますが、
プチにあってブログにないものってなんでしょうか?

スズキ
一般的になりつつあるブログの機能はぜひ良い参考にしたいですね。
中でもコメント機能やトラックバック機能については、何か面白い形で代用できる機能を
プチに装備したいな、と思っています。
プチにあってブログにないもの…機能面だけを抜き出すと
 「(日記ページなどの)レイアウト機能」
 「デザインきせかえ機能」
 「写真フレーム」
 「携帯写真加工機能」
 「プチメール」
などが思い浮かびますが、ぼくはそういう機能でプチやブログを見ていないです。

少し“なぞなぞチック”ですが、

・喫茶店にあって、ファミレスにないもの
・駄菓子屋にあって、コンビニにないもの
・プチにあって、ブログにないもの

この3つの問いの答えは、似たものになるような気がするんです。
それは何なのか、ですが、この見えにくい“何か”を絵にするなら
「お客様の表情」に答えのひとつが含まれている気がします。

丁寧に物や時間と接している人は自然と、そうやって作られた物やサービスを好みますし、
一人一人と真剣につきあう人と交流すると思うんです。
そのスタイルは、もしその人がホームページを持っていたら、やっぱり自然と
ホームページにも現れると思うんです。
ブログのコメント機能やトラックバック機能を使って、たくさんの人と交流できる人というのは、
インターネットならでは、というか、まるで著名人や業界人みたいだなぁと思うことがあります。
ファミレスもコンビニも、たくさんの商品が選べて便利なのですが、
一人になりたいときや、大切な友達との時間をゆっくり楽しみたいときは
別のお店を選んだりしますよね。
ブログになくてプチにあるものって、こういうことなのかな、と思います。
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Come on Girls Interfaceのトップ画面



でこぽん
プチのプログラムの中身を見ることができませんが、
以前カモガ(Come on Girls Interface=鈴木さんがプログラムを公開しておられた個人サイト。現在は更新休止中。 (Click!) )で配布されていたプログラムを見ると、
ご自身も「翻訳」とおっしゃっているように、プログラムの説明文を丁寧につけられていますよね?

スズキ
えへへ。笑。プログラムのコメントだけは自信があります。笑。
プログラムって“未来の自分への手紙”だと思って書いています。
過去の自分からの手紙を、さらに未来に伝えている感じで、
ぼくが悩んでも、その解決法はすべて過去の自分がすでに書いているんです。
そのたびに「うわぁすごいなぁ、この人頭良いなぁ」と、過去の自分を自画自賛しています。笑。

でこぽん
笑。あと、今回インタビューさせていただくのに、カモガ (Click!)
鈴木さんのプチ・東京GSP (Click!) の日記を読み返してたんですが、
つくづく、鈴木さんの文章はとても優しいなぁと感じました。
文章・日本語に対するこだわりみたいなものはありますか?

スズキ
日記の文章については、まったく自信がないので(笑)こだわりはほとんどないです。
ただ固有名詞はあまり使わないようにしてます。
特に3年先、5年先に古びてしまうと思う言葉は使わないようにしてます。
後から読み返したときに、その時代の言葉が変にくすぐったくなるのが嫌なんです。
そういう部分は、プログラムを書くときの感覚と似ているのかもしれませんね
(今気づきました。笑。)

でこぽん
「徹夜明けのトワイライト」や「プチティッカー」といったブログパーツの制作や、
東京GSPのサイト制作などは鈴木さんご自身のデザインですよね?
デザインの勉強はされていたのですか?

スズキ
デザインは美術学校に通っていたというわけではなく、仕事を通して覚えたものです。
そろそろ上手くなってきても良いころだと思うんですが…まだまだですね。笑。

でこぽん
「湘南フレーム」「プチラボ」といったネーミングもステキだなぁと思うのですが、
そのプログラムの実際の機能や目に見えるデザインに至るまで、
鈴木さんの作るものって他とはどこか違って感じるんです。
きっとみんなその違いに惹かれるんだと思うんです。
どんな風にアイデアを思いつかれるんでしょう?

スズキ
ネーミングは全然自信ないです。笑。案はたくさん出すんですが、
最終的には森さん (Click!) に相談して決めることがほとんどです。
ぼくの作るプログラムの特徴ですか。違って感じていただけるなら、とても光栄です。
何が違うんでしょうね…。ひとつ言えるのは、
ぼくがプログラムを書くのはチヤホヤされたいからではない、ということです。
これは森さんや、いろんな優秀なスタッフに巡り会えたから自然とそう思えるようになったんだ
と思いますが、仲間に対して恥ずかしくないものを作る、それだけです。
結果として、
・使ってくれる人がどんな環境でも楽しく使えること
・分かりやすいこと
・前からこんなのが欲しかったんだよと思ってくれること、
そういうことを意識しています。

実は、ぼくのやっている技術は、どれも時代遅れなものが多いです。
でも、時代遅れになったからこそ、すべての環境で使えるので
「いよいよこれが使えるぞ!」という気持ちになるんです
(パソコンの処理速度やネットの転送速度なども含めて、ですね)。
時代遅れな技術をわざわざ引っ張りだしてくるクリエイターは少ないのかも。
そのおかげで、ぼくにも活躍する場所が残されているんじゃないか、と思います。




でこぽん
最後の質問です。これからプチはどうなっていくのでしょうか?
「こんな風になれば最高だなぁ」と鈴木さんが思う、
「プチの理想像」?を聞かせてください。

スズキ
うーん、ある意味では、現在も最高だなぁと思うことがよくあります。
たとえばお客さまどうしがオフラインでも出逢って、
楽しく会話されているのを見ると、とってもうれしいですし、
プチを始めたころはちょっと元気のなかったお客さまが、数年後好きな人と出会って、
結婚して幸せになられて、そしてプチを退会していったときなんかは
本当にうれしかったです。
そんな場所がこれからもずっと続いていく、と思えることが、何よりの理想です。


インタビュー:2007年11月